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ビニの想い~八支則をなぜ守るのか

ビニの想い~八支則をなぜ守るのか

ヨガの教え・八支則について、8段階目のサマーディからお話ししてきました。
八支則は次の8つですね。

 

(1)ヤマ(社会的に、してはいけない規則)
(2)ニヤマ(個人的に、守るべき規則)
(3)アーサナ(ポーズ)
(4)プラーナーヤーマ(気のコントロール)
(5)プラティアーハーラ(感のコントロール)
(6)ダーラナー(集中)
(7)ディアーナ(瞑想)
(8)サマーディ(悟り)

 

そして、1段階目のヤマと2段階目のニヤマには、それぞれ5つの規則があります。

 

(1)ヤマの規則
・サッティア(嘘をつかない)
・アヒンサー(暴力をふるわない)
・アスティヤ(盗まない)
・ブラフマチャーリヤ(禁欲)
・アパリグラハ(貪らない)

 

(2)ニヤマの規則
・シャウチャー(清浄)
・サントーシャ(足るを知る)
・タパス(苦行、修行)
・スヴァディアーヤ(自己分析)
・イーシュワラ・プラニダーナ(信仰)

 

これらは切り離せるものではなく、8段階目のサマーディ・・・ヨガの最終目標である、自分と周囲の壁がなくなり、溶け合い、自分というものがなくなる状態・・・そこへ行くためには7番目のディアーナが、ディアーナのためには6段階目のダーラナーが、土台として前段階が必要なのだとお話ししてきました。

 

最も基本となるのがヤマとニヤマの、「してはいけない規則」「守るべき規則」です。
ここで言う「規則」は、【自分で決めて、自分で守るもの】なんですね。
人が決めたものを、わからないまま守らされているものとは違う、ということを覚えておいてくださいね。

 

心の動き――心からの命令を受けないようにするものが「規則」ですが、「なぜ、そうしなければいけないのか」を理解しておかなければなりません。
私が八支則を守ることができるのは、「八支則を守ることでそのときは損をしたとしても、私は大丈夫だ」と理解しているからなんですね。

 

「ニヤマ」の「シャウチャー(清浄)」でもお話しましたが、他人から見た私(「あなたは〇〇な人だ」)は、自分自身が考えている私です。
人から尊敬されない人は、自分自身を尊敬していない人ですから、人から尊敬してもらうためには、まず自分で自分を尊敬しなければいけない。
つまり、八支則の「規則」を守らなければいけないんです。

 

私たちは、一日に何度も「規則を守るか、守らないか」という選択を迫られます。
そのたびに「規則を守る」ほうを選べば、私たちは自分を尊敬できるようになり、もっともっと強くなっていきます。
正直に言いますが……ヨギーである私も規則を破ることはあります。人間ですから。
でも、「選択肢が頭に浮かぶ」というだけでもいいことなのですよ。自分をもっと尊敬できるようになる余地がある、ということですから。

 

八支則の「ヤマ」の中に「サッティア(嘘をつかない)」という規則があります。
だから、修行の身である私はいつも正直でいるようにしているんですが、誰かにとっては私の言葉が嘘になることもあるんです。
ちょっとわかりにくいですかね?
例えば、私が今、自分に正直な気持ちで話していることは、私の考え方――私の「道」なんです。
だけど、別の「道」を歩んでいる人――違う考え方や価値観を持つ人にとっては、私の言葉は、嘘や間違いに聞こえる。
それをちゃんとわかっているから、指摘されたとしても、私は喧嘩や口論はしません。「そうだね、あなたと私は違うからね」と思うだけ。
私は【自分自身を尊敬できるように、「自分が真実だと思っているもの」を「自分が」守っていくだけ】なんです。

 

ちょっと脱線しますが……私は今、こうやって皆さんにいろいろとお話していますが、十年後にはきっとこんなに話さないはずです。
こんなに饒舌に話しているということは、私のヨガに対する理解がまだまだ浅いからなんです。
自分がいろんな体験をして、いろんな発見をしている真っ最中なので、それを話したいんです。
子どもが新しいおもちゃを貰ったり、新しいことができたりしたら、「見て見て!」ってみんなに見せて回るでしょう? それと同じで、私もまだその段階なんです。
大人になると、「できて当たり前」のことばかりになります。当たり前のことを、わざわざ人に話して回ったりしませんよね?
それと同じで、私もいつかもっと理解が深まったら、ぎゅーっと凝縮されたものだけを話すようになる――つまり、言葉が少なくなるはずです。

 

ヨガのことを理解している人には、師(先生)の言葉はいらないんです。師(先生)がただ、存在するだけでいい。
黙っていても伝わる。その存在だけで、いろんなことを伝えられる。
私もそんなヨギーになれたらいいな、と思っています。

 

yogi vini

 

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